「及び」と「並びに」の意味はand!使い方の違いは物事の種類とレベル

 
無知子ちゃん
博士!「及び」と「並びに」の使い方には違いがありますか?
 
トリビア博士
この2つの言葉は、前後の語の種類やレベルによって使い分けるのじゃ。
 意味使い方
及び~と、そして
=and
同じ種類
レベル
並びに~と、そして
=and
異なる種類
レベル
「及び」と「並びに」は、どちらも2つ以上のの語をつなぐ時に使う言葉で、前後にある物事のどちらも当てはまる時に使います。
この2語には違いがあり、使い方も異なります。

本文では、「及び」「並びに」の意味と違い、使い方を詳しく解説しています

なんとなく使っていた、見過ごしていた2つの言葉の違いをしっかり理解し、正しい日本語を使いこなしましょう!  

「及び」と「並びに」の意味は「and」

「及び」と「並びに」は、どちらも複数の物事をつなげる時に使う接続詞で、「~と」「そして」つまり、「and」という意味です。

前の語に付け足す、前後の語を繋げる役割をはたすのが「及び」と「並びに」です。

これらは、同じ意味ですが使い方は「日常用語」「法令用語」の2パターンあり、ルールも異なります。

まずは、それぞれの使い方の違いをみていきましょう!

 

「及び」と「並びに」違いは並列する物事の種類とレベル

「及び」と「並びに」には次のような違いがあります。

  • 及び…複数の物事をつなげる時に用いる語
  • 並びに…前後2つの物事をつなげる時に用いる語

この違いは、日常用語・法令用語ともに変わりませんので、しっかり覚えておきましょう!

次に「及び」と「並びに」の使い方を解説します。  

 

及びと「並びに」の使い方!

「及び」と「並びに」の使い方は、並列する物事の種類とレベルによって異なります。

  1. 及び…複数の物事をつなげる時に用いる語
  2. 並びに…前後2つの物事をつなげる時に用いる語

それぞれ解説していきます。

 

①「及び」の使い方複数の同じ種類・レベルの物事をつなぐ

「及び」の使い方は同じ種類・レベルのものを付け足したりくっつけたりする時に使います。

同じ種類・レベルとは、「野菜+野菜」「人+人」など。

 

  • レタス 及び キャベツ
  • 新郎 及び 新婦

このように、前後の語が同じ種類・レベルのものをつなぐ時に使うのが「及び」です。

3つ以上の言葉をつなぐ場合は「、」でつなぎ、最後の語の前に「及び」を使いましょう。

🆗→リンゴ、ミカン、スイカ及びブドウ
🆖→リンゴ及びミカン、スイカ、ブドウ

 

②「並びに」の使い方は異なる種類・レベルのものをつなぐ

「並びに」の使い方は異なる種類・レベルのものを付け足したりくっつけたりする時に使います。

異なる種類・レベルとは、「野菜+果物」「クラス+クラス」など。

 

  • レタス並びにリンゴ
  • 1組並びに2組

このように、前後の語が違う種類・レベルのものをつなぐ時に使うのが「並びに」です。

 

「及び」と「並びに」は法令用語としても用いる

「及び」「並びに」を法令用語として用いる場合のルールはひとつ!

一つの文章に「及び」を使っていない場合「並びに」は使えない!

です。

つまり、「及び」と「並びに」は併用することが基本。

🆗→A及びB並びにC
🆖→A並びにB

日常会話の場合は、「A並びにB」という使い方は問題ありませんが、法律においてはNG!

それでは、「及び」と「並びに」を併用する使い方を解説していきます。  

 

「及び」と「並びに」を併用する使い方はグループで分ける!

「及び」と「並びに」を使う際は、グループ分けをして考えると分かりやすいです。

1番小さいグループを第1段階、2番目を第2段階…のように考えていきます。

今回は、ピーマン、なす、リンゴ、おにぎりを使ってみていきましょう!

 

第1段階|野菜グループ(1番小さな塊)

及び、並びに、使い方、第1段階 第1段階では、同じ種類・レベルのものを繋げる「及び」のみを使います。 「

ピーマン」及び「なす」となり、こちらを野菜グループと区分します。

そして、この第1段階グループの「及び」が小さな塊と覚えておきましょう!  

 

第2段階|野菜グループ+果物グループ(大きい塊)

及び、並びに、使い方、第2段階 第2段階では、第1段階と異なる種類・レベル、つまり一番最初のグループとは異なるものをつないできます。

異なる語ですので、「及び」ではなく「並びに」を使用していきますよ。

「ピーマン」及び「なす」並びに「リンゴ」となり、 こちらは野菜グループ+果物グループ=生鮮食品グループと区分します。

「並びに」は大きい塊と理解しておきましょう!  

 

第3段階|生鮮食品グループ+加工食品グループ

及び、並びの、使い方、第3段階 第3段階も、今までと同じように先に出てきたグループとは異なる種類・レベルのものをつないでいきます。

こちらも異なる語ですので、「並びに」を使っていきます。

「ピーマン」及び「なす」並びに「リンゴ」並びに「おにぎり」となり、全てをまとめて加工食品グループと区分しましょう。

第3段階以降は、つなぐ語が3つ以上になります。

ここからは、1番はじめの2語をつなぐ時にだけ「及び」を使い、それ以降は「並びに」を使ってつないでいきましょう!  

 

「及び」「並びに」の対義語は「もししくは」「または」

「及び」「並びに」の対義語も、法令用語で使用する「もしくは」「または」です。

こちらの対義語は、前後の語の一方しかさしませんので、「及び」「並びに」との言い換えはできません。

 意味使い方
及びand小さい単独OK
並びにand大きい「及び」と併用
もしくはor小さい「または」と併用
またはor大きい単独OK

使い方としては、「AもしくはB」や「AもしくはBまたはC」ですが、法令用語で使う際は、「もしくは」は「または」と併用することがルールです。  

 

例)「マカロン」もしくは「ケーキ」または「だんご」もしくは「まんじゅう」

「マカロン・ケーキ、だんご、まんじゅう」はお菓子という大きな塊ですね。

つまり、「お菓子」の中で「洋菓子」と「和菓子」の小さい塊に区分し、「または」でつないでいくということです。

お菓子、洋菓子、和菓子、もしくは、または

 

「及び」と「並びに」はTPOに合わせて使い分けよう!

法令用語として使う際は、厳密なルールがありますが、日常会話ではそんなルールは気にしなくて大丈夫!

意味さえしっかり理解していれば、間違った日本語にはなりませんので安心して使いましょう。

最後に「及び」と「並びに」の意味と使い方をまとめます。

 及び並びに
意味~と、そして=and~と、そして=and
使い方同じ種類・レベル異なる種類・レベル