「辻褄」の意味とは物事の筋道が通っていること!
「辻褄」の意味とは、合うべきところがきちんと合う物事の道理、一貫した物事の筋道ということ。
「辻褄が合う」「辻褄が合わない」という慣用句で使う場合が多い言葉ですね。
それぞれの言葉で使う場合は、次のような意味となります。
- 辻褄が合う: 物事の道理が合うこと
- 辻褄が合わない:ちぐはぐなこと
「辻」と「褄」は、いずれも着物にまつわる言葉で、裁縫用語としても使われています。
では一体、どのようなルーツで「辻褄」の意味が裁縫用語からくるようになったのでしょうか。
早速次の章で語源を紐解いていきましょう!
「辻褄」の語源は着物と裁縫用語に関係している
「辻褄」とは「辻」と「褄」を合わせた言葉。
「辻」は道路が十字に交わる十字路のことで、裁縫用語では縫い目が十文字に合うところを意味しています。
「褄」は着物の裾の左右の両端のこと。裾の左右が合うということはきちんと縫われているということをさしています。
どちらも、ピシッと縫い目が合っていないとチグハグな着物になってしまうことから、物事の道理や筋道が一貫していることを「辻褄」というようになりました。
逆に、合うべきところがきちっと合わないことを「辻褄が合わない」と言うようになったとされています。
「辻褄」の使い方例文は3パターン!
「辻褄」は慣用句として使う場合が多いです。
今回は、3パターンの慣用句を使った例文で、使い方を解説しています。
それぞれの例文で使い方をみていきましょう。
例文①「辻褄が合う」
一貫した物事の筋道という意味ですので、きちんと納得のできる場面で使いましょう。
- 取引先と話の辻褄が合うので、この案件は安心してお任せできる
- この物語は、伏線を回収すると全ての辻褄が合うようにできている
- 彼の説明は辻褄が合っていて疑いようがない
例文②「辻褄が合わない」
チグハグな話のように、話の筋道や前後関係が正しくない場合に使いましょう。
- 全ての要素をまとめると、その説明では辻褄が合わない
- 彼の話は全く辻褄が合っていない
- 禁酒しているはずなのに体からお酒の匂いがする、これでは辻褄が合っていない
例文③「辻褄を合わせる」
話の筋道が通るように、もっともらしく話を合わせる時などに使いましょう。
- 辻褄を合わせてから報告しないと上司が納得しない
- 「昨夜は一緒にいた」と辻褄を合わせるのに一役買った
- この場を収めるためには、辻褄を合わせるしかない
「辻褄」の類義語も道理や筋道が一貫している
「辻褄」の類義語は、意味もほぼ同じで道理や筋道が一貫している言葉が多いです。
今回は、言い換えが簡単でよく使われる類義語をご紹介します。
類義語 | 意味 |
---|---|
平仄 | 物事の順序や道理・筋道 |
道理 | 物事の正しい筋道 |
筋道 | 物事の順序 |
一貫性 | 初めから終わりまで矛盾がない・筋が通っていること |
帳尻 | 物事の辻褄を合わせること |
「辻褄」と簡単に言い換えができますのでケースバイケースで使ってみましょう!
「辻褄」の対義語は物事に一貫性がない
「辻褄」の対義語は、物事に一貫性がない、つまり「辻褄が合わない」ことですね。
対義語 | 意味 |
---|---|
矛盾 | 物事の道理や筋道が合わないこと、辻褄が合わないこと |
分かりやすい例は以下です。
「話の辻褄が合わない」 ➡︎ 「話が矛盾している」
「辻褄」の漢字は意味が分かると間違えない!
「辻褄」は「辻」と「褄」を合わせた言葉で、着物と裁縫用語が語源でしたね。
そして「褄」の漢字には衣編が使われており、この漢字にも着物が関係しています。
意味や語源を覚えておけば、「妻」「棲」「悽」などの漢字と間違えることもありませんので安心ですね!
最後に「辻褄」の意味と語源をまとめます。
辻褄 | |
---|---|
意味 | 物事の道筋が通っていること |
語源 | 「辻」:着物の縫い目が十字になっている部分のこと 「褄」:着物の裾の左右の両端のこと |